コーチング体験談ファイル

自身の内向性を強みに変え、納得感のある形で組織に貢献できるようになったコーチング体験談

Tags: 内向性, リーダーシップ, 自己受容, キャリア, コーチング体験談

組織における自身の存在感への悩み

私は現在、IT関連企業で専門職として働いております。勤続年数も増え、役職もつき、チームをまとめる立場になる機会が増えてきました。しかし、自身の内向的な性格と、人前で積極的に意見を述べることへの苦手意識から、組織の中での自身の存在感や、チームを率いる立場としてのリーダーシップの発揮に、漠然とした不安を感じておりました。

会議では、熟考した上で意見を言おうと思っても、既に他の誰かが発言していることがほとんどでした。また、自分の考えを簡潔かつ力強く伝えることにも慣れておらず、話しているうちに自信がなくなってしまうことも少なくありませんでした。チームを率いる上でも、メンバー一人ひとりとじっくり話すことは得意でも、皆の前でビジョンを熱く語ったり、明確な指示を出す場面では、どこか遠慮がちに映っていたかもしれません。

このような状況に対し、「もっと社交的にならなければ」「積極的に発言しなければ」という焦りを感じていましたが、それは自身の本質とは異なるように思え、どのように振る舞えば良いのか分からず、悩みを抱えておりました。

コーチングとの出会いと期待

このような内面的な葛藤を抱える中で、知人からコーチングの存在を知らされました。自己啓発書を読んだり、コミュニケーション研修に参加したりもしましたが、表面的なテクニックを学ぶだけでは、根本的な自分のあり方が変わるわけではないと感じていました。自身の内面と深く向き合い、本来の自分を活かしながら課題を克服する方法を見つけたいと考え、コーチングに興味を持ちました。

いくつかのコーチングセッションの体験談などを参考に、信頼できそうなコーチを探し、セッションを受けてみることにしました。コーチングを受ける上での期待は、大きく二つありました。一つは、内向的な自分でも組織で自信を持って振る舞えるようになること。もう一つは、自分の特性を否定するのではなく、それを活かした形でリーダーシップを発揮できるようになることです。変わらなければならないというプレッシャーから解放され、自分らしいやり方を見つけたいと願っておりました。

セッションでの気づきと変化

コーチとのセッションは、いつも落ち着いた雰囲気の中で行われました。コーチは私の話を丁寧に、遮ることなく聴いてくださり、安心して自分の内にある思いや悩みを言葉にすることができました。

特に印象に残っているのは、「あなたが組織に貢献したい『納得感のある形』とは何でしょうか?」という問いかけです。これまでの私は、「組織に貢献する=皆の前で堂々と発言し、リーダーシップを発揮する」という、どこか外から与えられた理想像に囚われていたことに気づかされました。自分にとって「納得感のある形」とは、必ずしも目立つことではなく、深い思考に基づいた質の高い意見を提供することや、チームメンバーの声を丁寧に拾い上げ、より良い方向に導くことなのではないか、と考えるきっかけになりました。

また、「あなたの内向的な特性は、どのような状況で活かされていますか、あるいは足かせになっていると感じますか?」という問いも、自身の特性を客観的に見つめ直す上で非常に有効でした。内向的であるからこそ、物事を深く考えたり、人の話をじっくり聴いたりすることが得意であることに気づき、それは決して組織貢献において不利になる特性ではないと理解できるようになりました。むしろ、騒がしい環境では見過ごされがちな重要な点に気づいたり、多様な意見を丁寧に拾い上げて統合したりする際に、自身の特性が活かせる場面があることを認識できました。

セッションを通じて、私は自分を変えようとするのではなく、「自分を知り、活かす」という方向へと意識がシフトしていきました。コーチからの問いかけは、答えを教えるものではなく、私自身が自分の内側にある答えに気づくための道標のようでした。

得られた成果と現在の状況

コーチングを終えた今、最も大きな変化は、自分自身の内向的な特性に対する捉え方が根本的に変わったことです。以前は「欠点」だと感じていたものが、今は自身の「強み」であると認識できるようになりました。無理に外交的に振る舞う必要はないと腹落ちしたことで、精神的な負担が大きく減りました。

具体的な行動の変化としては、会議での発言の仕方が変わりました。以前のように焦って発言するのではなく、まず他のメンバーの話をじっくり聴き、自身の考えを整理する時間を大切にするようになりました。そして、話すべき内容が明確になったら、要点をまとめて発言するように心がけました。発言回数が劇的に増えたわけではありませんが、一つ一つの発言に説得力が増し、周囲から注目されることが増えました。また、チームメンバーとの個別コミュニケーションをさらに丁寧に行うことで、信頼関係を深め、メンバーが自然と協力してくれるような関係性を築くことができました。これは、内向的な自分が最も得意とする方法でのリーダーシップの発揮だと感じています。

結果として、新しい役割での自信が増し、組織における自身の貢献に対する納得感が得られるようになりました。プロジェクトを推進する上でも、以前より主体的に、そして自分らしいやり方で関われるようになったと実感しています。

これからコーチングを受ける人へのメッセージ

もし、ご自身の性格やコミュニケーションスタイルに悩みを感じ、組織での貢献やリーダーシップの発揮に迷いを感じている方がいらっしゃいましたら、コーチングを一つの選択肢として検討されることをお勧めいたします。

コーチングは、あなたが持っている素晴らしい特性を否定することなく、それをどのように活かせば、あなた自身が納得できる形で貢献できるのかを、共に探求していくプロセスです。無理に誰かになろうとするのではなく、「あなただからこそできること」を見つける手助けをしてくれます。

最初は漠然とした不安や悩みであっても、コーチとの対話を通じてそれが明確になり、行動へと繋がる具体的なステップが見えてきます。自分一人で抱え込まず、ぜひプロフェッショナルのサポートを得て、自分らしい道を切り拓いていただきたいと思います。